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コンプレッサー その1「コンプレッサーの主なパラメータ」

音とエフェクト
音とエフェクト
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今回からコンプレッサーについて書いていきます。

前回の「コンデンサーとコイル」はこちら↓

いつものエンベロープの図をまた出してしまいました。

主なパラメータ

PSP FETpressor

今回PSP FETpressorを例に説明しようと思います。

FETpressorについての個別記事はこちら↓

画像を見てもらうとわかるのですが、

コンプレッサーには主に5つのパラメータが存在しています。

THRESHOLD(スレッショルド)

RATIO(レシオ)

ATTACK(アタック)

RELEASE(リリース)

MAKE UP(GAIN)

と実はもう一つKNEE(ニー)というものがあります。

それと、コンプレッサーを説明する上でリダクションという言葉を覚えておくとよいでしょう。

コンプレッサーをかけるとこんな感じの音が↓

バイパス
PSP FETpressor
コンプレッサーをかけた音

こんな感じになります。このパラメータは自分で決めました。

音の密度が上がっていると思います。

それでは順番に見ていきましょう。

THRESHOLD(スレッショルド)

コンプレッサーというのは音を圧縮し、ダイナミクス(音の大小)を揃え

音に密度を出すというエフェクターです。どういうことかというと、

例えばこんな音があったとすると、

この音は黄色で面積で塗った部分(音の密度)が長方形と比べて

ややスカスカになっていますね。

コンプレッサーはまず、THRESHOLD(スレッショルド)つまり閾値より大きくなった音を

縮小(リダクション)することにより音の大きい部分を小さくします。

リダクション

この音を小さくすることをリダクションと呼びます。

そのあと全体をブーストします。

(ブースト量をきめるのがMAKE UP,GAIN,MASTERといったつまみです)

ブースト量はMAKE UPまたはGAIN、MASTERつまみによって決める

すると、もとの音のグラフよりも黄色の面積が増えていることがわかるかなと思います。

この働きにより音の密度を上げるのがコンプレッサーの働きです。

RATIO(レシオ)

レシオというのは音がスレッショルドを超えてからリダクションを行う強さです。

たいてい比率で強さを表します。何もリダクションを行わない場合は1:1

レシオが1:1の時は何も変わらない

スレッショルドを超えてから音量を半分にする時は2:1

2:1の場合、スレッショルドを超えてから音量が半分になる(青線)

3:1なら3分の1といった感じです。

コンプレッサーによっては∞:1というのもありますが、

これはTHRESHOLDより大きくしないということです。

∞:1だと音が完全に潰れる

レシオの働きはこんなところです。

ATTACK(アタック)

実はコンプレッサーは必ずしもスレッショルドを超えてからすぐに

リダクション量がレシオ通りにになるわけではありません。

ATTACKとは、音がスレッショルドを超えてからレシオが設定値になるまでの時間を決めるパラメータです。

どういうことかというと、

ATTACK 0

さきほどの画像においては、スレッショルドを超えてからすぐ

リダクション量がレシオ値になっていたのでATTACKは0だったということです。

アタックタイムを増やすと

赤い線のところで徐々にレシオが設定値に近づいていくわけです。

ようするに、レシオを4:1に設定していた場合、

1.2:1、 1.5:1、 2:1、3:1、3.5:1などの状態を経てアタックタイムで

ちょうど4:1になるのです。

このパラメータは主にアタック部分を残すことで強調する時に使います。

が、アタックタイムを最小にするときは意外とないような気がしますね。

アタックタイムが短い場合と長い場合をおいておきます。

ATTACK 最小
ATTACK 最小
ATTACK 最大
ATTACK 最大

最小だと大人しく、最大だと音が大きくなりすぎるような気がしますね。

KNEE(ニー)

ニーというのはリダクションをなめらかに行う値のことです。

スレッショルドを超えたと同時にリダクションするものをハードニー

スレッショルドの前後でなめらかにリダクションをするものをソフトニー

のコンプレッサーと呼びます。

ニーは設定できるコンプレッサーが少ないかもしれませんね。

グラフにすると

↑ハードニー
↑ソフトニー

ハードとくらべてソフトニーはリダクションがなめらかにかかるんですね。

ハードニーはかちっとした音になり、ソースによっては不自然になりますが、

ソフトニーは自然な感じになることが多いです。

もちろんソースによっては逆になることもあるので聴き比べて合わせましょう。

RELEASE(リリース)

リリースはアタックとは逆で音量がスレッショルドを下回った時の

動作をコントロールするパラメータです。

どういうことかというと、リリースタイムを長くすることにより、

下の青い部分がリリースタイム

スレッショルドを下回ったあとにリダクションを行ったままの傾きで

音を伸ばします。(つまり、さっきまでのグラフはリリースタイム0の場合となります)

こうやって見るといびつな波形になるような気がしますが、

リリースタイムをうまく設定することにより自然に聞こえるようになるのですね。

ここでリリースタイムを動かした音をおいておきます。

RLEASE 最小
RLEASE 最小
RLEASE 最大
RLEASE 最大

リリースが長いといつまでもリダクションがかかるので音が大人しくなります。

一方短いとリダクションがすぐに途切れるので音が大きくなりますね。

リリースタイムは他のパラメータと比べてわかりにくいので設定が難しいですが、

つまみの位置による音の違いをよく聴いて決めていきましょう。

まとめ

THRESHOLD(スレッショルド)・・・リダクションがはじまる閾値

RATIO(レシオ)・・・リダクションの比率

ATTACK(アタック)・・・スレッショルドを超えてからレシオが設定値通りになるまでの時間

RELEASE(リリース)・・・音がスレッショルドを下回ったあとにリダクションを続ける時間

KNEE・・・スレッショルドの前後でのリダクションのなめらかさ

MAKE UP(GAIN)・・・ブースト量

といったところです。

コンプレッサーはわりとわかりにくいエフェクトではありますが、

きちんと理解すれば大きな武器になります。

つまみの位置による音の変化をよく聴きながらパラメータを決めていきましょう。

次回は主なコンプレッサーの種類と素子について見ていきます。

多分真空管とFETからみていくつもりです。

次回の「真空管・FET式コンプレッサー」 はこちら↓

PSP FETpressorを扱った記事にはこちら↓があります

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